眠り王子と夢中の恋。



祭りの明かりを見下ろしながら座ると、玲音が口を開く。



「美夜、ずっと気になっていたんだ」

「……え」

「現実で、何かあった?
俺が美夜の変化に気づかないわけないだろ。時折、暗く寂しそうな目をしている」



玲音は、私をよく見ていてくれる。
いつも些細なことで、すぐに気づいてくれる。

それが嬉しかったことでも、悲しかったことでも。
驚いたことでも、辛かったことでも。


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