逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
「激励プレート」以外にも、祐介が注文した料理が次々とテーブルに運ばれてくる。「お笑いは潮時かな」とは言っていたけれど、初めてのオーディション通過がよほど嬉しいのだろう。

「古美多めし、蓮さんにぜひ食べてほしいと思ってたんだ」

 祐介が料理を小皿に取り分け、蓮さんに差し出す。蓮さんはお礼を言って、海藻サラダを口に運んだ。

「これ……すごいな、海藻の鮮度が違う。弾力、歯ごたえ、香り、どれも際立ってるね」

「さっすが、俺の蓮さん。わかってらっしゃる! これはなんと、今朝、京花さん(みずか)らが荒れ狂う日本海に潜って採ってきた──」

「そんなわけないでしょ! 北陸から取り寄せてるのよ」

 カウンターの京花さんが笑いながら遮った。

 祐介の言葉にはもう一つ、どうしても聞き捨てならない点があった。私はすかさずツッコミを入れる。

「祐介、蓮さんはあなたの蓮さんじゃありませんから!」

「じゃあ誰の蓮さんだよ」

「みんなのよ!」

「って、みんなのかよ!」

 横を見ると、蓮さんが頬杖をついて、声を上げて笑いながら私たちを見ていた。なんだか実家での素のやり取りを見られているようで、少し照れくさい気分になる。

 でも──よかった。蓮さんも楽しんでくれているみたいだ。
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