逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
 航のアシスタントの件は、彼の転機のおかげで何とかなった。

 彼は倉本先生のところへ行き、「やっぱり椿井さんには荷が重すぎます。彼女が足手まといになるのは目に見えているので、俺ひとりでやります!」と宣言したのだ。

 そこまで言わないと、倉本先生が私を外さないことは分かっていたけれど、それを聞いたときには「あいつ……!」と思ってしまった。

 でも、昔のように軽口をたたき合う友人関係に戻れた気がして、何だか少し嬉しかったのは内緒にしておこう。

 私はドラマ制作のルーティンに戻った。制作部にキャリア採用のスタッフが加わったおかげで、仕事は格段に楽になった。21時までの残業はざらにあるけれど、徹夜することはほとんどない。

 蓮さんとの暮らしにも、すっかり慣れた。同棲ではなく、本当にルームシェアだ。

 だけど彼と過ごす時間は、意外にも気楽で心地よいものだった。
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