逆プロポーズではじまる交際0日婚! 〜狙うのは脚本家としての成功とXXX
確かにそうかもしれない。今の私と蓮さんの関係は、どちらかというと兄妹かルームメイトに近い気がする。
それに、今のままの関係で蓮さんを明日香ちゃんに紹介したら、勘のいい彼女のことだ、すぐに見抜かれそうな気がする。
私はルイボスティを一口飲み、「どうしたものか」と呟いた。蓮さんが選ぶお茶は私の好みにぴったり合っていて、この家の居心地をさらに良くしていた。
対策を考えているようで、実はお茶を楽しんでいるだけの私を、蓮さんはしばらく眺めていた。そして、意を決したように口を開く。
「薫とは、食べ物の好みだけじゃなく、価値観も合っていると思う。だから居心地が良すぎて……婚約者を通り越して、家族みたいな関係になっている気がする。あるいは、定年退職した夫婦みたいな関係」
「あはは、確かにね」
「定年退職した夫婦」という例えは、私も以前に思ったことがある。そのときは、それも悪くない気がしたけれど、広瀬さんの反応を見ると、やっぱり弊害もあるんだろうな。
「そこで、僕からひとつ提案があります」
「はい、何でしょう」
蓮さんは、私に顔を近づけて、まっすぐ目を覗き込む。端正な顔が突然至近距離になり、私は少し動揺した。
心臓の音、止まれ。いや、止まっちゃだめだけど、もう少し落ち着いて……。
だけど、蓮さんの形のいい唇から出てきた言葉に、私の心臓は本気で止まりかけた。
「今日から一緒に寝ま……せんか?」
それに、今のままの関係で蓮さんを明日香ちゃんに紹介したら、勘のいい彼女のことだ、すぐに見抜かれそうな気がする。
私はルイボスティを一口飲み、「どうしたものか」と呟いた。蓮さんが選ぶお茶は私の好みにぴったり合っていて、この家の居心地をさらに良くしていた。
対策を考えているようで、実はお茶を楽しんでいるだけの私を、蓮さんはしばらく眺めていた。そして、意を決したように口を開く。
「薫とは、食べ物の好みだけじゃなく、価値観も合っていると思う。だから居心地が良すぎて……婚約者を通り越して、家族みたいな関係になっている気がする。あるいは、定年退職した夫婦みたいな関係」
「あはは、確かにね」
「定年退職した夫婦」という例えは、私も以前に思ったことがある。そのときは、それも悪くない気がしたけれど、広瀬さんの反応を見ると、やっぱり弊害もあるんだろうな。
「そこで、僕からひとつ提案があります」
「はい、何でしょう」
蓮さんは、私に顔を近づけて、まっすぐ目を覗き込む。端正な顔が突然至近距離になり、私は少し動揺した。
心臓の音、止まれ。いや、止まっちゃだめだけど、もう少し落ち着いて……。
だけど、蓮さんの形のいい唇から出てきた言葉に、私の心臓は本気で止まりかけた。
「今日から一緒に寝ま……せんか?」