ぶーってよばないで!
動き出す運命
【清好堂】
今日は、レッスン日。
いつもは午前中にレッスンがあるけれど、今日は本宮先生の都合で十四時からになったんだ。
十二時を過ぎたら、お昼ご飯の買い物へ出ても良いことになっている。
私は、お昼ご飯のデザートを買いにちょっとお出かけ。
「こんにちは。」
いつも甘い香りに包まれている幸せな空間なのに、今日はなんだか寂しく感じる。
お休みかな?
本日はお越しいただきありがとうございます
誠に勝手ではございますがしばらくの間お休みをいただきます
清好堂 店主
「あら?清好堂さんのお客さんかな?」
振りかえると、一人のおばあさんが立っていた。
「はい!今日は、お休みですか?」
「あのね、本宮さんのご主人が倒れてね。それで、病院へ行かれたのよ。」
「え⁉︎」
「命に別状はないって、本当によかったわよ。来週はまたお店をあけるんじゃないかしらね?」
「あの…清好堂のおばあちゃん、本宮さんというんですか?」
「ええそうよ。」
「でも…ここに、山本という表札が。」
小さな表札を指差しながら、聞いてみる。
「ああ、ここのお店はね、本宮さんのご実家なのよね。奥様のご実家。ご主人は、静浜大学病院の医院長先生なのよ。お仕事中だったから、すぐに対応できて良かったわよね。そのまま、大学病院へ入院されたっていう話よ。本当によかったわよね。あなたは小百合ヶ丘学園の生徒さんよね?本宮さんの娘さんも、小百合ヶ丘学園に通われていたわね。随分とピアノが上手でね。どこか海外へ留学されたんじゃなかったかしらね。頭も良くてピアノも上手でね。」
頭が真っ白になる。
本宮さんの娘さん…
おばあちゃんの娘さん…
頭が良くて、ピアノが上手…。
そして…
ピアノでどこか海外へ留学をしている。
絶対に絶対に!
本宮先生に違いない‼︎
「あっありがとうございます!私、また来週来てみます!」
この胸の高鳴り、どうしよう。
早く、本宮先生に会いたい。
何かが音を立てて動き出した気がする。
私にできることって一体…。
今日は、レッスン日。
いつもは午前中にレッスンがあるけれど、今日は本宮先生の都合で十四時からになったんだ。
十二時を過ぎたら、お昼ご飯の買い物へ出ても良いことになっている。
私は、お昼ご飯のデザートを買いにちょっとお出かけ。
「こんにちは。」
いつも甘い香りに包まれている幸せな空間なのに、今日はなんだか寂しく感じる。
お休みかな?
本日はお越しいただきありがとうございます
誠に勝手ではございますがしばらくの間お休みをいただきます
清好堂 店主
「あら?清好堂さんのお客さんかな?」
振りかえると、一人のおばあさんが立っていた。
「はい!今日は、お休みですか?」
「あのね、本宮さんのご主人が倒れてね。それで、病院へ行かれたのよ。」
「え⁉︎」
「命に別状はないって、本当によかったわよ。来週はまたお店をあけるんじゃないかしらね?」
「あの…清好堂のおばあちゃん、本宮さんというんですか?」
「ええそうよ。」
「でも…ここに、山本という表札が。」
小さな表札を指差しながら、聞いてみる。
「ああ、ここのお店はね、本宮さんのご実家なのよね。奥様のご実家。ご主人は、静浜大学病院の医院長先生なのよ。お仕事中だったから、すぐに対応できて良かったわよね。そのまま、大学病院へ入院されたっていう話よ。本当によかったわよね。あなたは小百合ヶ丘学園の生徒さんよね?本宮さんの娘さんも、小百合ヶ丘学園に通われていたわね。随分とピアノが上手でね。どこか海外へ留学されたんじゃなかったかしらね。頭も良くてピアノも上手でね。」
頭が真っ白になる。
本宮さんの娘さん…
おばあちゃんの娘さん…
頭が良くて、ピアノが上手…。
そして…
ピアノでどこか海外へ留学をしている。
絶対に絶対に!
本宮先生に違いない‼︎
「あっありがとうございます!私、また来週来てみます!」
この胸の高鳴り、どうしよう。
早く、本宮先生に会いたい。
何かが音を立てて動き出した気がする。
私にできることって一体…。