初恋は実らない?
別れ
卒業式の帰り道、潤哉君に送ってもらった。
帰ると、玄関に航輔が待っていた。

潤哉君は、「また連絡するね」と言って帰っていった。

「明日、引っ越しなんだ」

「寂しくなるね」

「…、会いに帰ってくる」

「…。」

「好きなんだ。でも、待っててなんて言えないよな」

「長すぎるよ」

「…、だな。6年は長いよな」

「6年じゃないよ。幼稚園からだから15年。
もう待ちくたびれちゃった」

「…、ごめん」

「もうイライラしたり焼きもち焼いたり、離れていたら余計にいろんなこと考えてしまう。自分のことを嫌いになりたくないから」

「…、ごめん」

「元気でね」

「…、帰ったら、連絡してもいい?」

「もちろん!」

「…、ありがとう」

2人はお互い自分の家に入っていった。

両思いだったはずなのに、素直になれなかった。
今はもう航輔は大切な友達。
それ以上でも以下でもない。
今、私の頭の中を潤哉君でいっぱいにしたいから。

これからは後悔しないように、もう少し素直になりたい。
潤哉君と共に。

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