守ってやるよ
学校に来るまでの間、ずっと悪かった天気は、学校に着いた瞬間に大雨に変わった。



梅雨の季節。



あたしは灰色の空が大嫌い。



授業に出る気力がないなんていつものことだけど、今日みたいに天気の悪い日は特にそう。



それに、机の上の落書き。



また増えてる…。



『ブス』とか『死ね』とか…。



しかも先生にバレないようにあんまり大きい文字で書かずに鉛筆でひっそり。



どうやらあたしはいじめられてるらしい。



友達も一人もいない。



入学してからずっと暗いあたしに友達なんてできるわけもない。



話しかけてくれる子もいたけど、ほとんど無視に近い状態で対応していたら、その話しかけてくれる子が気性の荒い子だったみたいで、そこからたまに嫌がらせされるようになった。



でもそんなことどうだっていい…。



何されたって、今のあたしには響かない。



『死ね』なんて、死の重みを分かっているあたしには逆に響かないよ。



あたしは、授業をサボって一人屋上に向かった。



高校に入学して2か月なのに、あたしはもう何回授業をサボってるんだろう…。



でも苦しいんだもん…。



どうせ来たくない学校だから家に引きこもろうと思ったこともあったけど、家に一人でいたらあれこれと考えてしまって余計苦しくなることがわかって、それからは一応学校には来てる。



屋上の、屋根のあるところでぼーっと雨を眺めていた。



気が付いたら涙がこぼれていた。



涙って止むことがないんだな…っていうのが最近新しく知ったこと。



いくら泣いてもこうして新しく涙は湧いてくる。



そのとき、あたしの後ろから「芽衣」と優しくあたしの名前を呼ぶ声が聞こえた――。



観里の…声…。
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