復讐殺人日記
悲鳴を上げてその場にうずくまる。
貴斗が息を飲んで振り向いた。
その先にいたのは……真っ黒な影。

影が私に手を伸ばしてきている。
そこから発せられる冷気に全身が氷ついた。
「保人……なのか？」

貴斗がしゃべるとその息が白く濁って空気に溶けていった。
その声に反応した影が徐々に姿を表し始めた。

全身を包み込んでいた黒いモヤが解けてその奥から保人が顔を見せたのだ。
だけどそれは死んだ時の姿のままだった。

頭部が潰れて脳みそが半分見えている。
右側の眼球が飛び出して繊維で繋がり、まるで振り子みたいに左右にゆれる。

手足も妙な方向へ曲がっていて、あちこちの皮膚が裂けで赤い肉が見えていた。

そんな状態で喋ろうと口を開くから、中から小さな肉片が転がり落ちてきた。

「うわぁ！」
貴斗が悲鳴を上げて後ずさりをする。
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