復讐殺人日記
☆☆☆

病院を出るとそれぞれの両親が迎えに来てくれていた。

時刻はもう9時を過ぎているし、連絡していても相当心配してくれていたみたいだ。

「瑞穂ちゃんは大丈夫そうなんでしょう?」
運転しながらお母さんに聞かれたので私は曖昧に頷いた。

「随分骨折してるけど、命に別状はないって」
「それならよかった。本当に」
日奈子の葬儀の日に瑞穂が交通時に遭った。

それはかなり衝撃的な出来事として、明日は学校中に広がっていそうだ。

「愛花も事故とか、気をつけなさいよ」
「わかってる」
それでもお母さんが心配していることは雰囲気で伝わっていた。

日奈子のことももっと聞きたいのだろうけれど、今は我慢していることもわかっている。

自殺という文字はあまりにも重たすぎるから。

その後はふたりとも無言で、私は流れていく窓の外の夜景をジッと見つめていたのだった。
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