復讐殺人日記
☆☆☆

貴斗と共に瑞穂のお見舞いに行くことは前日に両親に話しておいたから、フルーツの詰め合わせを持たされていた。

幸い内臓は元気そうでなんでも食べているから、これも喜んでくれるはずだった。
ふたりでバスに乗り込んで移動している間、ほとんど会話はなかった。

病院にいればグラウンド100周なんてできっこないとわかっているけれど、やはり当日になった今不安はぬぐいきれなかった。

15分ほどバスに揺られてこの街で一番大きな総合病院に到着した。

「瑞穂の病室は302だったよね?」
「確かそうだったよな」

だけど昨日は手術を終えてすぐだったから、今日は病室を移動させられているかもしれない。

一度受付に行って聞いた方がいいのかも。

友人のお見舞いなど初めての経験だから色々なことを考えながら入り口へと向かう。

「おい、あれ!」

入り口に入ろうとしたところで貴斗が大きな声をあげたので私は驚いて立ち止まった。

「なに?」
「あれ見ろよ、瑞穂じゃねぇか?」
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