すべてはあの花のために②
その頃残されたメンバーはというと。
「ねえアキくん。あいつ見てない?」
あれほど言ったのに、いつの間にか葵の姿がなくなっていたので、ヒナタはアキラに居場所を尋ねていた。
「いや、俺は見てないが……いなくなったのか」
「まだわかんない。でもさっきまで一緒に話してたから、まだ校内にはいると思う」
会話をしながら、彼らの視線は彼女の姿を捜していた。するとそこに、様子がおかしいことに気づいたカナデとツバサがやってくる。
「何かあったの?」
「そういえばアオイちゃんがいない……?」
大きなため息を吐きながら、ヒナタが無線で連絡しようとした、その時。
『――……あ。聞こえてます? あおいです!』
捜し物から連絡が来た。生徒会メンバーが持っているものには全部流れており、ひとまずその場にいた全員安堵の息を吐く。
「葵? どうしたんだ。一体何が」
『え。アキラくん? アカネくんにだけ繋げたかったのに……』
アキラはむすっとしてしまった。
「ちょっと。アンタ今どこにいるのよ」
『あれ? 今度はツバサくん? いやだよー。わたしには今アカネくんが必要なんだよー……』
こちらからしてみたら意味がわからない。そうこうしていたら、どうやらアカネが葵に何か言ったようだ。
『あ! アカネくん? よかった~。あのね、アカネくん今から体育館来られる?』
「……体育館?」
ヒナタを初めとしたこの場の全員、どうしてそんなところに彼女がいるのか理解できなかった。
『……あ! ほんと? じゃあ大急ぎで来てくれる? 他のみんなはぜーったい来ちゃダメだからね! 来たら…………地獄を見ることになるぞ』
まるで拒絶するようにブツンと音を立てて切れた無線機に視線を落としながら、四人は地獄を見るか、葵を見に行くか悩んだ。すごく悩んだ。
「――よし。行こうっ!」
そして悩んだ結果、好奇心に負けた。