すべてはあの花のために③
むかしむかし
あるところに
とってもきれいなお花が
咲いていました
その花には
仲間がいませんでした
でも
心はとってもきれいだったので
たったひとり
おともだちができました
でも
そのおともだちは
もうすぐ枯れてしまうそうなのです
わたしの蜜をあげるよ?
でも
そのおともだちは
決して蜜をうけとりません
どうしてと聞くと
そのおともだちは
あなたがだいすきだから
そう言ったのを最後に
枯れ果ててしまいました
花は泣きました
泣いて泣いて
泣き続けて
花びらの色が
涙色になりました
それからどれくらいたったでしょう
まだ花は
色を変えたまま咲き続けます
ああ
あのおともだちに会いたいよお
そうしていると
かぜさんが教えてくれます
花びらになりなよ
そうしたらぼくが運んであげるよと
そういって花の花びらを一枚
運んでいきました
そうかその手があったと
花は大喜び
どんどん花びらになって
かぜさんに連れて行ってもらいました
花はなくなってしまったけれど
かぜさんのおかげで
おともだちに会うことができました
めでたし
めでたし