転生したら不良と恋する恋愛小説の悪女でした。
いつの間に起きたんだろう、とか。
弟の分際で何で姉の上にいるんだ、とか。
脇腹にでも蹴り入れて、無理矢理どかしてやろうかとか思ったんだけど。
「……好きだ、」
いつもの素っ気ない声とは全く違う、掠れたような、切ない声が耳朶を打つ。
泣いてないのに、泣いてるみたいな。
どこにも怪我はないのに、どこかが痛くて仕方がないみたいな。
そんな声に、さっきまでの勢いはどこかへ消えていく。
なんで、そんな、…。
え。
ってかこいつ今
好きっていった?