すべてはあの花のために⑤

「……本当に不思議ですね。何故ここまで来たのでしょう」

「そうですね。でも、これでよかったのかもしれません」

「……どういうことですか?」

「あなたを、独り占めできるから」


 彼は少しだけ、葵を自分の方へと引き寄せる。


「言ったでしょう。『その座は是非、私が戴きたいものです』と」


 そして、葵の頬にそっと口付けを落とした。真っ赤になった葵に、レンはくすり。


「ただの挨拶ですよ?」

「に、日本式で。お願いします……」


 それだけ言うのが精一杯の葵に、また彼はクスッと笑う。葵もなんだかおかしくなってふっと笑った。


 そして、再びダンスを再開する二人。ベッドの上には



【クリスマスにあなたのことを想っています】


 二人のクリスマスカードが、そっと寄り添うように並んでいた。


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