うしろの正面だーあれ
咲子は早足で美津の元へ向かう。
それに気付いたらしい美津も、逃げる素振りさえ見せない。
見つめ合う2人。
一方は怒りに震えた表情。
もう一方は
ただ傍観しているようにも見える、落ち着き払った冷静な表情。
それは、自分がやったことを、否定もせずに認めるということなのだろうか。
『あんたがやったの!?』
相手もいないのに怒鳴り出す咲子を、道行く人は怪訝な顔で見ていた。
『私は…』
美津が口を開く。