うしろの正面だーあれ
目を見開く。
隣にキヨは居なく、視線を落とす。
そこには、血まみれのキヨが居た――
横向きで倒れているキヨを、咲子はただ見ていた。
隆史の叫び声も
耳の奥でしか聞こえない。
耳を何かで塞がれているように
ほとんど何も聞こえない。
音が入ってこない。
こうなることは、どこかで予想していた。
有り得ない、信じられない出来事…。
少し前までは そのはずだった。
そう、この手で、人を殺めてしまう前までは――