青にきらめく世界は、君の色でできている。
第八話 のばした手は君に届かない
六月半ば。
梅雨の時期ということもあって、今朝からしとしとと小雨が降っている。
鉛色の空を見上げつつ、持ってきていたビニール傘をさして学校を出れば、後ろから軽快な足音が聞こえてきた。
「浅羽くん、いっしょに帰ろ!」
「……うん」
「雨、朝からずっと降ってるよね。今年はあんまり雨は降らないって言ってたのに、しばらくは雨の日が続くのかな」
「雨、嫌いなの?」
「うーん、嫌いっていうわけでもないんだけど、湿気で髪の毛がうねったりしちゃうから、それは嫌だなぁって」
ふちのところが水色になっているビニール傘をさしている音無さんは、むっと唇を尖らせながら空を見上げている。
だけど彼女の黒髪はいつも通りさらさらで、うねっている感じはしない。
きっと、きちんと手入れをしているんだろうなって、そう思う。