青にきらめく世界は、君の色でできている。

第九話 いつだって君を思い出してしまう



あっという間に六月は過ぎ去っていき、七月になった。

今日は七月七日だ。


上を見れば、黒と薄紫が混ざり合ったような夜の空に、白く光った星々が川のように流れている。


この時期はまだ梅雨が明けていなくて雨が続く地域も多いと聞くが、なぜか毎年、この日だけは、この地域では雨が降らないらしい。

神様のお力だとか言われてるらしいけど、俺は偶然のことだと思ってる。


でも音無さんだったら、そんな言葉をすぐに信じて、

「神様に感謝しないとだね!」

なんて言っていそうだ。


きっとあの星と同じように、目をきらきら輝かせながら夜空を見つめるんだろう。

その姿が容易に想像できてしまって、自然と口許が緩みそうになった。

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