結婚なんて、ゼッタイお断り!
第7話:エピローグ
***
「──おい、起きろよ美桜」
「美桜ちゃん、今日は四人で動物園に行くんでしょ?このままだと遅刻しちゃうけど」
「起きてよー!美桜ちゃん起きてー!僕、早く動物園に行きたいんだけど!僕パンダ触るって決めてるんだから!」
「陽太、お前バカか。触ったら捕まんぞ」
「捕まらないように触るんじゃん。大和ってバカなの?」
「テメェ」
今日も騒がしい声とともに強制的に起こされる。
……あぁ、もう、本当に毎日毎日うるさいんだから。
「……って、なんでまた三人とも勝手に私の部屋に入ってんのよ!」
いつものようにカーテンを開ける伊織、ベッドの横に置いてある椅子に座って偉そうにしている大和。
そして私にギュッと抱きついてくる陽太。
「あのさ、美桜。俺達、別にお前のこと狙うの諦めたわけじゃねぇからな?」
「……へ?」
「お前が誰のことも好きにならねぇっていうなら、俺がお前のことを振り向かせるまでの話だから」
「……大和。何言ってんの、美桜ちゃんは俺と結婚するんだけど」
「違うよ!僕だよ!僕のことを好きになってもらうんだから!」
……なんてことだ。
「──だからまぁ、これからも覚悟しとけよ。美桜」
どうやら、私の苦労はまだまだ続きがあるらしい。
【完】


