本当の愛を知るまでは
「もしもし、39階のシリウストラベルの森川と申しますが」
会議が終わると、花純はカフェに電話をかけた。
『ああ、森川さん。滝沢です。会議終わりましたか?』
「うん、今終わったところです」
『じゃあすぐに行きますね』
「ありがとう。でもランチタイムで忙しいんじゃない? 私が届けましょうか?」
『えっ! そんな、いいですよ。あ、でも、うーん……』
思わず花純は笑い出す。
「いいよ、届けに行くね。ちょうど私もお昼休みで下りて行くところだったから。それじゃあ」
『あっ、う、はい』
電話を切ると、ふふっと笑みをもらして立ち上がる。
カップや小皿をまとめて入れておいた紙袋を手に、千鶴に声をかけた。
「千鶴ちゃん、今からランチでしょ? 私、この紙袋をカフェに返しに行って、そのままそこでお昼食べようかと思うんだ。一緒に行かない?」
「え、あの純情ボーイのカフェ? 行く行く!」
「うん。原くんもどう?」
「えー、原も誘うの?」
不服そうな千鶴に、向かいの席の原が真顔になる。
「おい、千鶴。俺が行くと都合悪いのか?」
「そりゃね。私があの子に近寄らないように、目を光らせるんでしょ」
「って、お前。ほんとにアプローチするつもりなのか?」
「当然! ほら、早く行こう」
「ちょ、待てって!」
さっさとオフィスを出る千鶴を、原は慌てて追いかける。
花純も苦笑いしてからあとを追った。
会議が終わると、花純はカフェに電話をかけた。
『ああ、森川さん。滝沢です。会議終わりましたか?』
「うん、今終わったところです」
『じゃあすぐに行きますね』
「ありがとう。でもランチタイムで忙しいんじゃない? 私が届けましょうか?」
『えっ! そんな、いいですよ。あ、でも、うーん……』
思わず花純は笑い出す。
「いいよ、届けに行くね。ちょうど私もお昼休みで下りて行くところだったから。それじゃあ」
『あっ、う、はい』
電話を切ると、ふふっと笑みをもらして立ち上がる。
カップや小皿をまとめて入れておいた紙袋を手に、千鶴に声をかけた。
「千鶴ちゃん、今からランチでしょ? 私、この紙袋をカフェに返しに行って、そのままそこでお昼食べようかと思うんだ。一緒に行かない?」
「え、あの純情ボーイのカフェ? 行く行く!」
「うん。原くんもどう?」
「えー、原も誘うの?」
不服そうな千鶴に、向かいの席の原が真顔になる。
「おい、千鶴。俺が行くと都合悪いのか?」
「そりゃね。私があの子に近寄らないように、目を光らせるんでしょ」
「って、お前。ほんとにアプローチするつもりなのか?」
「当然! ほら、早く行こう」
「ちょ、待てって!」
さっさとオフィスを出る千鶴を、原は慌てて追いかける。
花純も苦笑いしてからあとを追った。