恋のライバルは学年2位の優等生。私のアプローチは空振り中です!

第九話 「文化祭の出し物」

 文化祭の準備期間に入り、クラスの出し物を決める会議が開かれた。

「やっぱり脱出ゲームって流行ってるし、面白くない?」
 沙羅が思い切って提案すると、教室内にざわめきが起きた。

「楽しそう!」「でも作るの難しくない?」「準備時間大丈夫?」

「論理構成を工夫すれば、クラス単位でも十分可能だと思う」
 啓斗が、さらりと肯定した。

 その一言で、沙羅の提案が一気に現実味を帯びる。

――ナイス啓斗!

 企画が通り、役割分担が決まると、沙羅はストーリー演出担当に立候補した。
 啓斗は、もちろん謎解き設計チーム。

 放課後、沙羅と啓斗、そして真帆が図書室の片隅で集まる。

「じゃあ、まずこの謎を見てくれる?」
 啓斗がノートを開き、オセロの盤面のような図を示した。

「この盤面は7進法で書かれた数字を示していて……」

 沙羅は、完全にポカーンとしてしまう。

「ちょ、待って待って。なにそれ。難しすぎるって!」

 隣で見ていた真帆が、軽くため息をついて口を開いた。

「啓斗、それじゃ普通の人は解けないわよ。アトラクションなんだから、楽しくないと」

「でも、解きごたえがないと意味が……」

「謎解きは、特別な前提知識がいらないようにしないと。文化祭はエンタメ優先でしょ?」

「なるほど……」

 啓斗はうなずいて、ノートにメモを取り始めた。

――真帆、さすがの的確さ。

 沙羅はちょっと悔しく思いながらも、負けじと口を挟んだ。

「じゃあ、謎の中にヒントになる小道具とか演出入れたらどう? 怪しい手紙とか、暗号が書かれた小物とかさ」

「それ、面白いかも」
 真帆が乗ってくる。

「じゃあ沙羅ちゃん、そういう小道具のアイデア、いくつか考えてみて」
 啓斗が自然にそう言ってきて、沙羅の胸が少し高鳴った。

――よし、ここから巻き返す!
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