【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「旦那様。……お言葉ですが、貴方様は周囲を頼ることをなさっていませんよね?」
「……はぁ?」

 何が、言いたいんだ。

「その道にはその道のプロがいます。なので、ほかの方に知識を教えていただくのも、大切かと思いますよ」

 サイラスは、何のためらいもなくそう言い切った。

 ……ほかの人に知識を、か。

(……そうだ。あいつ、だったら)

 俺には多方面にたくさんの知り合いがいる。その中で、現在役に立ちそうな知り合いと言えば――『研究オタク』のあいつしかいない。

(ついでにいえば、あいつは現在『豊穣の巫女』の研究にハマっていると言っていたな。……だったら)

 思い立ったが吉日だ。

 その気持ちで、俺は執務机から便せんを取り出し、文字を綴っていく。

(北の辺境に届くのは、かなり先になるだろうな。……だが、どうか頼む)

 心の中でそう思いつつ、俺は一心不乱に文字を綴った。どんな手段でもいい。

 ――シェリルに、負荷をかけたくないんだ。
< 18 / 156 >

この作品をシェア

pagetop