【企】SNOW KISS
「優衣、何笑ってんだよ」
“優衣”
そう呼んでもらえるだけでドキッとする。
「だって、おかしいんだもん」
そう言ってあたしはまた笑った。
「ま、いーや。優衣、久しぶりだな」
「久しぶりじゃないよ。一昨日、会ったじゃん…」
ドキドキで拓真の顔がうまく見れない。
「あ、そっか」
あたしの言葉に思い出したかのような様子で笑顔を向けた。
ねぇ、知ってる??
その笑顔が、どれだけあたしの気分を明るくしてくれるか。
その笑顔で、どれだけあたしがドキドキしてしまうか。
「寒いし、早く入りなよ」
そう言ってあたしは中へと招き入れた。