君の瞳にこの愛を捧ぐ〜凄腕眼科医の執着愛〜

これはデート⁉︎

それから何ヶ月か経ったある金曜の夜に、突然千紗のスマホが鳴る。

画面を見れば藤堂涼の名で…驚き固まり、それでも急いで出てみれば、

『明日、富士山観に行くぞ。』
と、突然の誘いの電話だった。

「えっと…どう言う事…ですか?」

『富士山の近くの病院に眼科の名医がいるんだ。アポを取ったら快く見てくれると返事を貰った。明日6時に迎えに行く。用意して待ってろよ。』
藤堂はいいたい事だけ言ったら直ぐに『じゃあな。』と、電話を切ってしまった。

なんでそんなに慌ただしいんだろう…?
千紗は首を傾げながら呆気にとられる。

出かける事を母に伝えると、千紗より先に連絡をもらっていたらしく、既に出かける準備を始めていた。

「お弁当、2人分作っておくから朝ご飯にしてね。」
キッチンで嬉しそうに手を動かしながら母が言ってくる。

「…ありがとう。いつ藤堂さんから聞いてたの?」

「月曜日くらいにメールをもらって、都合がつけば週末に千紗を預かりたいって、昼間に電話を頂いたの。千紗は知らなかったの?」

「今、電話もらったところ…。」

「きっと驚かせたかったのよ。本当、藤堂さんには頭が上がらないわ。パパが赴任先から帰って来たら、会って直接お礼をしたいって。」
今、父は地方に単身赴任中で週末くらいしか帰って来ない。他に家族は3つ下の妹がいる。

「家なんて招いたら藤堂さん戸惑うよきっと…彼氏とかでもないんだから迷惑だよ。」

「付き合っちゃえばいいのに。」

「な、何言ってるの⁉︎私なんか迷惑でしかないよ。…あの人は単に、人道支援が趣味なの。」
慌ててそう言って母から逃げる。最近の母は何かにつけてそう言って揶揄ってくるから困る。

彼にとって私は意図知れず拾ってしまった捨て猫みたいなものだ。偶然命を助けて、その責任があるからって気にかけてくれてるだけ…
千紗はそう思っている。

第一あんなイケメンに彼女がいない筈はない。変な気心は振り払い、後は無心で明日の準備に取り掛かった。
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