求愛過多な王子と睡眠不足な眠り姫
 こくん、恭吾の喉がなった。まるでイエスと頷くよう。

「ーーって、人の結婚式で何を言っちゃってるのかな? 当てられちゃったのかも」
「ミント」

 意識を現実へ戻そうとしたが呼び止められる。わたしを覚ます声はいつだってキスに似た甘さを帯び、反応してしまう。

「圭吾、そ、その」
「この後のブーケトス、全力で取りに行くぞ! いいな?」
「は?」
「僕もど真ん中を陣取って参加する」
「……」
「ぷっ」

 呆気にとられたわたしに圭吾は背を丸めた。

「からかったんだ?」
「ミントをからかうのは僕の3大欲求なんだってば」

 テーブルの下で次は足を絡ませてくる。

「ほら、式に集中して?」
「こんな悪戯しておいて……覚えておきなさいよ?」
「そうそう断っておくけどさ」

 勿体ぶった前置きと同時、照明が落とされた。どうやら有志による出し物が行われるらしい。皆の注意がそちらへ注がれるのをいいことに耳打ちしてくる。

「僕は寝ても覚めてもミントの事だけだよ」

 早く帰ろうよ、帰ったら一緒に寝よう、恭吾は満面の笑みで改めて訴えた。

おわり
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