エレベーターゲーム

第4ゲーム【東条歩美対羽田月美】

(歩美side)
私は生前人を殺して、人に殺された。
後悔なんてしていない。
こんな楽しいこと、またやりたい!
そしてこのゲームが来た。
よし!
ビーーーーーーー!
当たって!

【4回戦】
東条歩美対羽田月美

やったあ!
やっぱり神様って本当にいるんだね。
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私が生前殺した相手は月美だ。
特に理由はない。
なんか殺したかっただけ。
と言っても月美は月美で杏奈を殺した。
死んで当然。
もう何もかも適当に終わらせよ。
それなのに…
どうして行き着く階を知っているのは月美なの!
月美が死ぬように説得しよう。
「あんた、全然後悔してないでしょ?杏奈を殺したこと。別に人を殺しても後悔なんてしていない人が生き返っても、絶望するよね?ね?同じことを繰り返すよね?」
「そんな…」
勝ちを確信する。
すると恐ろしいくらい低い声で月美は口を開いた。
「そうなるのはあんただよ」
「は!?」
「私はちゃんと後悔してる。ここに来てどうしてあんなことをしたのか、ずっと問い詰めていた」
「そんなの嘘でしょ?」
「確かにこの後悔は軽いかもしれない」
軽いんだったら…
「でも、私とあんたの後悔は全然違うように感じる」
そう言って、3階のボタンを押す月美。
ガタン。
「ちょ、自分を基準にするなんて本当におかしいよ!比べるな!私だ!生き残るのは私だ!取り消せ!あやめの奴ら!」
「そもそも、自分を殺した奴を許せると思う?この私が」
ニヤつく月美。
あっという間に3階へついてしまった。
月美がまず階の部屋へ入る。無傷だった。
そしてシャボン玉のようなものに包まれて、「じゃーねー」と言いながら上の穴へ吸い込まれていく。
「ふざけんな!」
私は絶対に生き残る。
部屋へ行けば殺される。
なら、ずっとエレベーターの中に入ればいい。
ほーら、私頭いい。
バカな奴らだなあ。
「あははははははは」
ブーーーーー!
何!?
するとエレベーターの扉が閉まる。
次の瞬間床が開く。
「…は?」
穴に落ちていく私。
「ふざけんなーーーーーーーーー!!!!!!」

結果
勝者:羽田月美
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