【短】人身売買のオークション会場で消えた恋人を高値で買った。sideノア
もう恋人を逃がさない。
早くエラに会いたい。
エラを落札した後、僕はマックにオークション主を早急に呼ぶように伝えた。
そしてはやる気持ちを抑えながらもオークション会場内の舞台袖を目指して僕は移動を始めた。
「2560番様!この度はご落札いただきありがとうございます!」
そんな僕の前にオークション主が上機嫌な様子で現れる。
中年の身なりのいい男。
貴族ではないが、おそらくここ数年力をつけてきたライト商団の男だろう。
何故たった数年でここまで大きくなったのかは一目瞭然だ。
その告発についてはまた今度にしてやろう。
今はエラが第一だ。
「とても美しい女ですよ!きっと近くで見るとますます気に入るかと!」
僕の横でオークション主が上機嫌に喋り続ける。
「今回ご落札された女が1番の美女でごさいますが、他にも当店は粒揃いでございます!今回の女とセットで愛でるのもよし、傷めるのもよし、様々な用途がございますよ!」
「そうですか」
オークション主の話を半分聞きながら半分流す。
エラのついでにまだ誰かを買わせたい欲が丸見えだ。
僕はエラだからこそ買ったし、エラしか愛でるつもりはない。
オークションの舞台袖に着くとそこには夢にまで見たエラが檻の中にいた。