地の果てに咲く花

母さんは、違う男の人に嫁いだって。

好きでもない、男の人に。


『お腹にね、双子がいるんだ』

優しい手つきでお腹を撫でていた。

愛してない男との間にできた子なんて、嬉しくないんじゃないかって思った。

けど母さんは。

『きっと可愛いだろうなあ。楽しみ!』

あどけない顔で嬉しそうに笑った。

その時俺は、本当に楽しみなんだなあと釣られて笑ったのを覚えている。

その後、母さんに会うことはなくて。

だけど中1になる前、母さんが離婚したって聞いた。

あんなに、幸せそうに笑ってたのに。

それから1年経ったくらいかな。

母さんはちょこちょこ俺たちに会いにくるようになった。

まあ、弟の雷稀は気まずそうにしてたけど。
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