かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません

第一章 俺と付き合わないか

つぐみは五年付き合った恋人に振られたのだ。

大事な話があると呼び出されて、プロポーズだと勝手に喜んで、

でも、他に好きな女の子が出来たから別れてほしいとのことだった。

(なんて、バカなんだろう、全然気づかなかった、二年も二股かけられてたなんて)

つぐみは涙が止まらなかった。

今日は一人で残業していた。

昨日のことが、思い出されて、涙で書類の数字がハッキリ見えない。

シクシク泣いてたら、秘書課のドアがガチャっと開いた。

つぐみは誰?とびっくりして、涙を拭った。

入ってきて、つぐみに声をかけたのは、社長の光高だった。

「まだ、残っていたのか」

つぐみは慌てて「はい」と返事をした。

光高は仕事が出来て、頭の回転がいい、ルックスも申し分ないイケメンだ。

しかも独身ときてる、そして恋人がいないとの噂だ。

全女性社員の憧れの的だ。

つぐみはパソコンをシャットダウンした。
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