かりそめの恋人なのに、溺愛が止まりません

第五 なんて事を言ったんだ、俺は…

「正臣」

「こんな偶然ってあるんだな、こういうの運命って言うんだよな」

つぐみは笑い出した。

「なんだよ、俺、なんかおかしい事言ったか」

「だって運命って」

そこにつぐみのスマホが鳴った。

「あっ、光高さんから」

「はい、つぐみです」

光高は人身事故の情報を聞きつけつぐみにすぐに連絡を入れた。

「今、どこにいるんだ」

「電車の中です、人身事故で止まってしまって」

「やはりそうだったか、大丈夫か」

「はい、大丈夫です、かき……」

「ん?どうした」

「いえ、なんでもないです」
(今、かきって言ったよな、まさか柿崎と一緒なのか)

光高はすぐに会社に連絡を入れて、柿崎の行方を確かめた。
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