クラス対抗デスゲームトーナメント
森山友美【殺せるならば】
ゲーム終了後、アナウンスが流れる。
『生き残った渡辺亜里沙さん、おめでとう!でもこれはトーナメント戦だからまた殺されてしまうかもよ…?』
「…っ」
今生き残っても、大丈夫とは限らない。
…怖い。
『あ、そうそう!本日分のゲームはこれで終わりだから、みなさん自由にしていいよー!…まあ、学校からは出られないけどね。松原英里紗さんもそうだったでしょ〜?』
ん?本日分のゲームは終わり…
トーナメント戦は随分時間がかかる。
「ちょっと待って!本日分は終わりって、明日もあるの!?」
『大当たり〜!世田谷のぞみさん!』
「ええ!」
「じゃあ、ずっと生きてればその分ゲームが長引くじゃん!」
佐々木翔子(ささきしょうこ)が声を上げる。
『大当たり〜!』
「ふざけんな!!!!」
美波が怒ってしまった。
「だいたいこんなことしたら、あんたたちの信用も危うくなるわよ!?」
『えーでも権力あるし』
こんなの狂ってる…
『それじゃ、みなさん次の日までご自由に〜!』
放送が切れる。
最悪だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あやめの人からご飯が出される。
正直言ってゲームで疲れてしまったのか、全然美味しくない。
「やばいよね、このゲーム」
「うん…」
篠部千世(しのべちせ)が友達の小日向彩花(こひなたあやか)と話している。
こんなことが起こって、話す気力があるのは少し羨ましい。
「こんなのおかしいよ!」
夕美?
「だって、この学校は少し他とクラス数少ないけど、それでも3学年合計9クラスもあるよ!?それなのになんで2組が選ばれたの?きっと意味があるはず…」
「夕美」
口封じのようにノエルが口を挟む。
「ビビってんの?『あの事件』はこのゲームには関係ない。あんなこと、あやめのやつが知ってるわけない」
「そもそも英里紗が死んだんだよ!?じゃあなんでノエルは悲しみの表情を見せないの!?」
「まあまあ…」
森山友美(もりやまともみ)が2人の喧嘩を宥めろうとする。
…あの事件って、いったい?
事件なんて起こってないよね?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次の日。
ピーンポーンパーンポーン。
またか…
今日もゲームが始まる。
昨日と同じようにルーレットが回る。
【第2ゲーム】
佐々木翔子(元1年1組)
救出人:鈴瀬美香(元1年2組)
そういえば、なんでわざわざ元1年何組だったかまで書いてあるんだろう。
昨日と同じように今度は翔子がガラス張りの部屋に入る。
ガチャ。
出られないと思うと、余計怖くなる。
『それでは、よーい、スタート!』
「行ってくるね!」
「頑張ってー!」
前回はボタンを押さずに終了してしまったから、今回はどういう感じのボタンなのか、どういうところにボタンがあるか、見ておきたい。
モニターに美香の様子が映し出された。
『頑張らないと…でもこれこんな広い敷地の中で見つかるか?ボタン』
確かに…
ここは少し敷地が狭いとはいえ、東棟と西棟に分かれ、さらに体育館、校庭、部室もある。
美香は今西棟の2組の教室にいた。
「ボタン…ボタン…」
まだ時間はたっぷりある。
焦らなくていい…はず。
翔子がガラス張りの部屋の黒いボタンを押さない限り、美香は生きれる。
でも美香を死なせると、ものすごい罪悪感に襲われてしまう。
ボタンが見つからないまま、残り45分になった。
大丈夫か?
「翔子ちゃん…大丈夫かな…」
隣で翔子の友達の友美がソワソワしてる。
「あった!一つ目のボタン!ていうか難しい!」
美香がボタンを見つけたのは、図書室の本棚の奥だった。
『ボタンが押されました。残り3つ』
むずすぎるでしょ!こんなの!
美香は再びまたボタンを探しにいく。
もしやあやめの人は私たちを生かす気0%なんじゃ…?
だとしたら圧倒的に救出人が有利…
残り30分を切った。
ボタンはまだ一つ。
さすがにもうまずいんじゃ?
「本当に大丈夫なの!?翔子」
友美もさすがに焦ってる。
『二つ目!』
今度は倉庫の奥のまた奥だった。
「やっぱ難しいよ!これ!」
友美の口数が増えてきた。
ふとモニターを見ても、残り15分。
「まずい…」
このままだと、翔子が殺されてしまう。
『どうしようどうしよう…』
美香もまずいと思ったのか、小走りになっている。
早く…!早く…!
ずっとそう唱えていたけど…残念ながら私の思いと真逆のことが起きた。
ビーーーーーーーー!
『時間切れー!ボタンは2つしか押されませんでした〜!』
『そんな…うわ!』
昨日由亜を殺したドローンが美香を拘束する。
そして美香が校庭へ運ばれてくると、拘束は解けた。
「美香ちゃん…」
「ごめんなさい!ほんとごめんなさい!」
泣きじゃくりながら謝る美香。
【死亡者】
佐々木翔子(元1年1組)
『それでは佐々木翔子さん、バイバーイ!』
「やだ!やだ!」
無慈悲なアナウンスが流れる。
すると、ガラス張りの部屋の中に白い空気が充満した。
「いや!何これ!」
なんだ…?あれは…
「いや!なんなの!ねえ!ね…」
!?
翔子の声が途切れ、バタンという音がした。
「何!?煙で見えない!」
友美が一目散にガラス張りの部屋の前へ向かう。
何が起こった!?
やがて白い空気が引いていく。
翔子の姿が見え、部屋のロックも解除された。
「翔子ちゃん!!!」
そこには、倒れた翔子がいた。
「起きて!起きて!翔子ちゃん!」
返事はない。
「気…失ってるだけだよね?」
「違う」
かなたが否定した。
「これ…毒ガス」
「え!?」
そういうかなたも、手が震えてる。
「だからおそらく…翔子ちゃんは亡くなったわ…」
毒ガス!?
惨すぎる。
「そんな…どうして?」
「友美ちゃん…」
「美香ちゃんが…美香ちゃんが翔子を殺した!!!」
「!?」
「翔子ちゃんを殺せるなら…あたしのことも殺してよ」
何を言ってるの!?
そして友美は校門へ向かった。
バァン!
「え……」
友美が、撃たれた…
「なんで…」
ていうかこれ、ゲームでの死亡だけじゃなくて、自殺や周りによる殺害もありってこと!?
じゃあ、死亡者は…
「予想以上に多くなってしまう…」
死亡者:佐々木翔子(元1年1組)、森山友美(元1年1組)
残り17名
19ー2=17
『生き残った渡辺亜里沙さん、おめでとう!でもこれはトーナメント戦だからまた殺されてしまうかもよ…?』
「…っ」
今生き残っても、大丈夫とは限らない。
…怖い。
『あ、そうそう!本日分のゲームはこれで終わりだから、みなさん自由にしていいよー!…まあ、学校からは出られないけどね。松原英里紗さんもそうだったでしょ〜?』
ん?本日分のゲームは終わり…
トーナメント戦は随分時間がかかる。
「ちょっと待って!本日分は終わりって、明日もあるの!?」
『大当たり〜!世田谷のぞみさん!』
「ええ!」
「じゃあ、ずっと生きてればその分ゲームが長引くじゃん!」
佐々木翔子(ささきしょうこ)が声を上げる。
『大当たり〜!』
「ふざけんな!!!!」
美波が怒ってしまった。
「だいたいこんなことしたら、あんたたちの信用も危うくなるわよ!?」
『えーでも権力あるし』
こんなの狂ってる…
『それじゃ、みなさん次の日までご自由に〜!』
放送が切れる。
最悪だ。
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あやめの人からご飯が出される。
正直言ってゲームで疲れてしまったのか、全然美味しくない。
「やばいよね、このゲーム」
「うん…」
篠部千世(しのべちせ)が友達の小日向彩花(こひなたあやか)と話している。
こんなことが起こって、話す気力があるのは少し羨ましい。
「こんなのおかしいよ!」
夕美?
「だって、この学校は少し他とクラス数少ないけど、それでも3学年合計9クラスもあるよ!?それなのになんで2組が選ばれたの?きっと意味があるはず…」
「夕美」
口封じのようにノエルが口を挟む。
「ビビってんの?『あの事件』はこのゲームには関係ない。あんなこと、あやめのやつが知ってるわけない」
「そもそも英里紗が死んだんだよ!?じゃあなんでノエルは悲しみの表情を見せないの!?」
「まあまあ…」
森山友美(もりやまともみ)が2人の喧嘩を宥めろうとする。
…あの事件って、いったい?
事件なんて起こってないよね?
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次の日。
ピーンポーンパーンポーン。
またか…
今日もゲームが始まる。
昨日と同じようにルーレットが回る。
【第2ゲーム】
佐々木翔子(元1年1組)
救出人:鈴瀬美香(元1年2組)
そういえば、なんでわざわざ元1年何組だったかまで書いてあるんだろう。
昨日と同じように今度は翔子がガラス張りの部屋に入る。
ガチャ。
出られないと思うと、余計怖くなる。
『それでは、よーい、スタート!』
「行ってくるね!」
「頑張ってー!」
前回はボタンを押さずに終了してしまったから、今回はどういう感じのボタンなのか、どういうところにボタンがあるか、見ておきたい。
モニターに美香の様子が映し出された。
『頑張らないと…でもこれこんな広い敷地の中で見つかるか?ボタン』
確かに…
ここは少し敷地が狭いとはいえ、東棟と西棟に分かれ、さらに体育館、校庭、部室もある。
美香は今西棟の2組の教室にいた。
「ボタン…ボタン…」
まだ時間はたっぷりある。
焦らなくていい…はず。
翔子がガラス張りの部屋の黒いボタンを押さない限り、美香は生きれる。
でも美香を死なせると、ものすごい罪悪感に襲われてしまう。
ボタンが見つからないまま、残り45分になった。
大丈夫か?
「翔子ちゃん…大丈夫かな…」
隣で翔子の友達の友美がソワソワしてる。
「あった!一つ目のボタン!ていうか難しい!」
美香がボタンを見つけたのは、図書室の本棚の奥だった。
『ボタンが押されました。残り3つ』
むずすぎるでしょ!こんなの!
美香は再びまたボタンを探しにいく。
もしやあやめの人は私たちを生かす気0%なんじゃ…?
だとしたら圧倒的に救出人が有利…
残り30分を切った。
ボタンはまだ一つ。
さすがにもうまずいんじゃ?
「本当に大丈夫なの!?翔子」
友美もさすがに焦ってる。
『二つ目!』
今度は倉庫の奥のまた奥だった。
「やっぱ難しいよ!これ!」
友美の口数が増えてきた。
ふとモニターを見ても、残り15分。
「まずい…」
このままだと、翔子が殺されてしまう。
『どうしようどうしよう…』
美香もまずいと思ったのか、小走りになっている。
早く…!早く…!
ずっとそう唱えていたけど…残念ながら私の思いと真逆のことが起きた。
ビーーーーーーーー!
『時間切れー!ボタンは2つしか押されませんでした〜!』
『そんな…うわ!』
昨日由亜を殺したドローンが美香を拘束する。
そして美香が校庭へ運ばれてくると、拘束は解けた。
「美香ちゃん…」
「ごめんなさい!ほんとごめんなさい!」
泣きじゃくりながら謝る美香。
【死亡者】
佐々木翔子(元1年1組)
『それでは佐々木翔子さん、バイバーイ!』
「やだ!やだ!」
無慈悲なアナウンスが流れる。
すると、ガラス張りの部屋の中に白い空気が充満した。
「いや!何これ!」
なんだ…?あれは…
「いや!なんなの!ねえ!ね…」
!?
翔子の声が途切れ、バタンという音がした。
「何!?煙で見えない!」
友美が一目散にガラス張りの部屋の前へ向かう。
何が起こった!?
やがて白い空気が引いていく。
翔子の姿が見え、部屋のロックも解除された。
「翔子ちゃん!!!」
そこには、倒れた翔子がいた。
「起きて!起きて!翔子ちゃん!」
返事はない。
「気…失ってるだけだよね?」
「違う」
かなたが否定した。
「これ…毒ガス」
「え!?」
そういうかなたも、手が震えてる。
「だからおそらく…翔子ちゃんは亡くなったわ…」
毒ガス!?
惨すぎる。
「そんな…どうして?」
「友美ちゃん…」
「美香ちゃんが…美香ちゃんが翔子を殺した!!!」
「!?」
「翔子ちゃんを殺せるなら…あたしのことも殺してよ」
何を言ってるの!?
そして友美は校門へ向かった。
バァン!
「え……」
友美が、撃たれた…
「なんで…」
ていうかこれ、ゲームでの死亡だけじゃなくて、自殺や周りによる殺害もありってこと!?
じゃあ、死亡者は…
「予想以上に多くなってしまう…」
死亡者:佐々木翔子(元1年1組)、森山友美(元1年1組)
残り17名
19ー2=17