その息尽きるまで時間は無限
濡沢が、席を立ってから机を叩いた音だった。
いわゆる台パン。




何事かと困惑の教室で、七晴と濡沢だけが笑っていた。

俺だけが引きつっていた。






ゆっくり、ゆっくり、俺や佳凪たちがあちこち引っ張ってよれよれのセーラー服姿の濡沢が、近づいてくる。





それはまるで、目をギランギランに輝かせた狼が、ウサギに近寄るようだった。




「真」


冷たく俺の名を呼ぶ濡沢。

初めて名前を呼ばれたかもしれない。


「私はね、諦めない。」

なんのことか。急に独り言のように、いや、問いかけるように話し出す。
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