【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~
「元気にしとったかぁ? 相変わらず、そこそこの別嬪さんやなぁ」
「……そこそこ、は余計です」
「はっはっ、その冷めた態度も相変わらずやなぁ」
大口を開けて笑っていた男は、開いていた距離を詰めて私の目の前に立つ。
「ちょおっと付いてきてもらうで」
「おい、お前ら。この人に触んじゃねえ」
手を掴まれそうになったけど、鈴木さんが間に入ってくれる。
「何や兄ちゃん、千夏子ちゃんの彼氏……ってゆうわけやないよな?」
「俺はお嬢さんのボディーガードだ」
「へぇ、借金こさえといて、ボディーガード雇う金はあったんやなぁ」
にやりと笑っているこの男――田口は、借金取りだ。
父と二人暮らしをしている時、何度か借金の取り立てに来ていて、その際に顔を合わせたことがあった。