【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~
今日も変わらぬ一日が終わると思っていたけれど、夕飯時になってバタバタと帰宅したお父さんからの第一声が「千夏子! お嫁さんにならないか!?」だったものだから、私は見事な宇宙猫顔を披露してしまった。
だって、お嫁さんにならないかって。意味が分からな過ぎるよね?
ちなみに彼氏はいたこともないので、そもそもの話、結婚する相手がいないし。
だけどよくよく話を聞いてみれば、借金を肩代わりしてもらうという条件付きの話だったわけで。
お父さんの真っ直ぐで優しいところは美徳だと思うけど、怪しげな壺を買わされたり、酔いつぶれた見知らぬ人を家まで送り届けたり、終いには多額の借金を背負わされたり……いい加減、少しは他人を疑うということも覚えてほしい。
そして、他人を思いやる心は素敵だと思うけど、身内である娘の気持ちももう少し考えてほしい。
いくら借金を肩代わりしてもらえるとはいえ、どうして私が、見ず知らずの人のお嫁さんにならないといけないんだろう。