【番外編更新中】騙し愛され落とし合い ~借金帳消しのために、××の家でお嫁さん候補としての生活を始めます~
「いや、まだ来たばかりだよね?」
「ヤダ。もう歩きたくない。千夏子、おぶってくれない?」
「私がおぶるの!? 絶対無理だよ!」
「えー、千夏子は体力ありそうだし、いけるって」
無茶なことを言ってくる慎くんの顔は、とても冗談を言っているようには見えない。
……え、私って、ちゃんと女の子だって認識されてるよね?
もしかして慎くんの目には、私が屈強な大男にでも見えているのだろうか?
そもそも、どうして慎くんがこの場にいるのかと言えば、愛用していたヘッドホンが壊れてしまい、ちょうど買い換えたいと思っていたんだって。
それで、出掛ける私たちと玄関ではちあわせて、そのまま付いてきたんだ。