幽霊学級
バサバサと音を立てて床に落下していく本を見て呆然としてしまう。
いまや教室内に残っているのは僕と和彰と功介の3人だけになっていた。
他の子たちはみんな逃げ出した。
「功介、やめなよ!」
僕の声も功介には届かない。
功介は顔を真赤にして「チクショー! くそっ」と繰り返しているばかりだ。
「和彰、功介は一体どうしちゃったのさ?」
「時々頭に血がのぼって自分でもわけがわからなくなるみたいなんだ。でもこのままじゃまずい、先生が来るまえにどうにかしなきゃ」
和彰がそう言って功介に近づいて行ったとき、功介が不意に手を止めてこちらを睨みつけてきた。
つり上がった目に白目は充血して真っ赤だ。
その様子に恐怖心が湧き上がってきて僕は足がすくんでしまった。
「見てんじゃねぇよ!」
功介はそう怒鳴ると大股で教室を出ていってしまったのだった。

☆☆☆

功介は一体どうしてしまったんだろう。
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