ありふれた日常こそ、尊い。

「でも、一言は多いかもしれないけど、人を裏切ったりしない、嘘はつかない子に育てたつもりだから安心してもらって大丈夫だと思うけど、もしも凪が悪いことをしたら、必ずわたしに相談してね？わたしは、美月さんの味方よ？」

凪のお母さんはそう言ってくれ、わたしが「ありがとうございます。お母さんが味方だなんて、心強いです！」と言うと、凪は面白くなさそうに「何だよぉ、悪いことって。」と言った。

「んー、浮気とか？」
「はぁ？！そんなのしねーよ！」
「だって、凪モテるじゃん。」
「母さんの前でやめろよ。」
「あ、ごめん。」

わたしたちがそう話していると、そのやり取りに笑って聞いている凪のお母さん。

そして、凪のお母さんは「二人を見て安心したわ。良い関係を築けているのね。」と微笑んでいた。

良かった。
安心してもらえたんだ。

凪のお母さんが微笑んでくれている。

わたしのお母さんが生きていたら、、、こんな風に笑ったりしてくれていたのかな。

「そういえば、凪。美月さんのご両親には、もう挨拶は済んでるの？」

凪のお母さんがそう言うと、凪は少し困った様子で「え、あ、それは、、、」と言った。

だから、わたしは助け舟ではないが、凪のお母さんにこう言った。

「あ、わたし、、、両親がいないんです。小さい頃に亡くしていて。」

わたしがそう言うと、凪のお母さんの表情が一気に消え、それと共に凪も「えっ？！」と驚いた表情でわたしの方を向いた。

あ、わたし、、、余計なこと言っちゃったなぁ、、、