Far away ~遥かなる想い~
それは彩にとって、今のところ、たった1つの淡く、切ない思い出・・・。
高校で始めた弓道に魅せられた彩は、大学でも、弓道部の門を叩くことにした。
大学の弓道部の活動は様々。体育会部活として、弓道に心血を注ぐことを求められる部もあれば、練習は週に2~3回。あとはキャンパスライフを謳歌しなさいという方針の部もある。大学弓道界の中でも「強豪校」とされていた彩の大学は、間違いなく前者であった。練習は週6回、それに高校とは違い、日曜日は公式、非公式含めて、ほぼ試合があった。
更に高校では弓道部は、男女混合の部活とされていたが、大学ではほぼ男女は別活動であった。厳しい上下関係もあり、また
「学生の本分は正課(勉強)。正課を疎かにする者は課外活動(部活)に参加する資格はない。」
との方針で、「弓道をする為に大学に来ている」などという考え方は一切認められなかった。
「授業をサボったり、必要な単位を獲れないような者は、試合に参加させない。」
入部してすぐのオリエンテ-ションで、見るからに厳めしい雰囲気の顧問に、釘を刺すようにこう告げられた。
実際、練習は最終授業が終了する17:00〜19:30までが「正規練習」。その後は22:30までが「自主練習」時間とされた。授業が少ない土曜日は11:00~15:00が正規練、以降が自主練。
正確に言えば、1週間の内、月木は終日自主練となっていて、強制ではない。他の日も正規練が終われば同じで、それらの時間は、プライベ-トを優先しても、なんら差し支えはないのが建前ではあるのだが、実際には、学年が上がり、公式戦も近いとなれば、そんな悠長なことは、段々言っていられなくなるらしかった。
(これじゃ、自分の時間なんて、いつあるの?)
さすがに彩も、内心悲鳴を上げるしかなかった。実際に練習は厳しく、更に全国から優秀な選手が集まり、彩が果たせなかったインハイ出場経験者も何人もいて、選手層は厚かった。
高校時代は主将であり、チームの主力だった。彩にはその自負も自信もあったが、「井の中の蛙」という言葉の意味を実感させられる日々。が、それでも彩は、諦めることはしなかった。
(でもせっかく入部した以上、自分の力の限界まで、絶対にやり抜く。)
そう決心していたからだ。
高校で始めた弓道に魅せられた彩は、大学でも、弓道部の門を叩くことにした。
大学の弓道部の活動は様々。体育会部活として、弓道に心血を注ぐことを求められる部もあれば、練習は週に2~3回。あとはキャンパスライフを謳歌しなさいという方針の部もある。大学弓道界の中でも「強豪校」とされていた彩の大学は、間違いなく前者であった。練習は週6回、それに高校とは違い、日曜日は公式、非公式含めて、ほぼ試合があった。
更に高校では弓道部は、男女混合の部活とされていたが、大学ではほぼ男女は別活動であった。厳しい上下関係もあり、また
「学生の本分は正課(勉強)。正課を疎かにする者は課外活動(部活)に参加する資格はない。」
との方針で、「弓道をする為に大学に来ている」などという考え方は一切認められなかった。
「授業をサボったり、必要な単位を獲れないような者は、試合に参加させない。」
入部してすぐのオリエンテ-ションで、見るからに厳めしい雰囲気の顧問に、釘を刺すようにこう告げられた。
実際、練習は最終授業が終了する17:00〜19:30までが「正規練習」。その後は22:30までが「自主練習」時間とされた。授業が少ない土曜日は11:00~15:00が正規練、以降が自主練。
正確に言えば、1週間の内、月木は終日自主練となっていて、強制ではない。他の日も正規練が終われば同じで、それらの時間は、プライベ-トを優先しても、なんら差し支えはないのが建前ではあるのだが、実際には、学年が上がり、公式戦も近いとなれば、そんな悠長なことは、段々言っていられなくなるらしかった。
(これじゃ、自分の時間なんて、いつあるの?)
さすがに彩も、内心悲鳴を上げるしかなかった。実際に練習は厳しく、更に全国から優秀な選手が集まり、彩が果たせなかったインハイ出場経験者も何人もいて、選手層は厚かった。
高校時代は主将であり、チームの主力だった。彩にはその自負も自信もあったが、「井の中の蛙」という言葉の意味を実感させられる日々。が、それでも彩は、諦めることはしなかった。
(でもせっかく入部した以上、自分の力の限界まで、絶対にやり抜く。)
そう決心していたからだ。