推しは恋のキューピッド
「かわいいですね〜!この子は?」

「こたろう。俺は今飼ってる。」

「え!早川課長ハムスター飼ってるんですか?」

聞くと早川課長は大きく頷く。

「うん。一年前くらいからかな。こたろうグッズ色々集めてるうちに本物のハムスターも可愛いなと思ってさ。」

そう言って、私に画面を見せながら、ハムスターを見つめる視線はとても優しかった。

話を聞くと、ケージを手作りしたり、おやつを色んな種類集めたりとなかなかの溺愛そうだ。


色々聞いているうちに、なんだかどんどん早川課長のイメージが変わってくる。一見冷たくクールだが、中身はとっても優しい人。それは分かっていたけれど、優しいだけじゃなく、こんな可愛い人だったなんてちょっと意外だ。


私はどうやら微笑んでいたようで、早川課長が少し不思議そうな顔で覗き込んでくる。


「俺なんか変なこと言ったか??」


「いえ、全然です!なんか6年一緒の部署で働いて、お世話になってきましたけど、本当の早川課長を今初めてみれた気がしてちょっと嬉しいんです。」


「何言ってんだ…」


そう言って早川課長は顔を俯く。その顔はお酒も回ってきたのか少し赤くなっている。


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