大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】
第13話 アリアの黒い感情
新しく来たミトという女が、セルファの気を引くためにお菓子作りをした。
(なんて女)
アリアはミトを憎々しく思った。
妃としてあるまじき、媚を売るような行動。
別邸で働く使用人達にも愛想を振りまいているらしい。
(何を企んでいるの?どんなに頑張っても、夜は4日に1度しか巡ってこないのよ)
ミトが来てからというもの、アリアの心の中にドロドロとした何かが蓄積していった。
今までは良かった。
最初はティアラを警戒したが、すぐにセルファにも妃という立場にも執着していなとがわかったからだ。
ユフィーリオは憎いが、第一王妃で公務もこなしているのだからと割り切ることができた。
どんなに日中ユフィーリオがセルファと時間を共に過ごしたとしても、夜は平等に3日に1回というのも、アリアの気持ちを納得させていた。
むしろ、面倒な公務を一手に引き受けなければならず、ユフィーリオには哀れさすら感じていた。
あえてそう思うことで、アリアは自分の気持ちに折り合いをつけていたのだ。
それに、ユフィーリオもティアラも、身の程を弁えていた。
大国ローザンに嫁ぎ、世継ぎを身ごもることを第一に考え、それ以外の行動は謙虚に控えていた。
そんな2人だからこそ、最愛のセルファを共有していても憎まずに済んでいたのだ。
しかし、ミトは違う。
新参者のくせに、自分への敬意を払うこともなく、無遠慮に別邸を闊歩している。
自己アピールに必死な姿は品格がなく、無様と言ってもいいだろう。
そうやってミトを見下して心の平穏を保とうとするのだが、食事の度に顔を見なければならず、アリアは非常に不愉快だった。
この気持ちを静めるには、セルファに会うしかない。
今夜は4日ぶりにセルファが部屋へ訪れる。
アリアはこの日を待ちわびていた。
セルファの顔を見た瞬間に、抑えていた気持ちが溢れ、アリアは貪るように求めた。
夜が明けなければいい。
離したくない。
私だけのセルファでいてほしい。
みんないなくなればいい。
ドロドロとした気持ちがさらに蓄積していく。
どんなに近くにいても、抱き合っても、気持ちが満たされず、アリアは途方にくれるしかなかった。
(なんて女)
アリアはミトを憎々しく思った。
妃としてあるまじき、媚を売るような行動。
別邸で働く使用人達にも愛想を振りまいているらしい。
(何を企んでいるの?どんなに頑張っても、夜は4日に1度しか巡ってこないのよ)
ミトが来てからというもの、アリアの心の中にドロドロとした何かが蓄積していった。
今までは良かった。
最初はティアラを警戒したが、すぐにセルファにも妃という立場にも執着していなとがわかったからだ。
ユフィーリオは憎いが、第一王妃で公務もこなしているのだからと割り切ることができた。
どんなに日中ユフィーリオがセルファと時間を共に過ごしたとしても、夜は平等に3日に1回というのも、アリアの気持ちを納得させていた。
むしろ、面倒な公務を一手に引き受けなければならず、ユフィーリオには哀れさすら感じていた。
あえてそう思うことで、アリアは自分の気持ちに折り合いをつけていたのだ。
それに、ユフィーリオもティアラも、身の程を弁えていた。
大国ローザンに嫁ぎ、世継ぎを身ごもることを第一に考え、それ以外の行動は謙虚に控えていた。
そんな2人だからこそ、最愛のセルファを共有していても憎まずに済んでいたのだ。
しかし、ミトは違う。
新参者のくせに、自分への敬意を払うこともなく、無遠慮に別邸を闊歩している。
自己アピールに必死な姿は品格がなく、無様と言ってもいいだろう。
そうやってミトを見下して心の平穏を保とうとするのだが、食事の度に顔を見なければならず、アリアは非常に不愉快だった。
この気持ちを静めるには、セルファに会うしかない。
今夜は4日ぶりにセルファが部屋へ訪れる。
アリアはこの日を待ちわびていた。
セルファの顔を見た瞬間に、抑えていた気持ちが溢れ、アリアは貪るように求めた。
夜が明けなければいい。
離したくない。
私だけのセルファでいてほしい。
みんないなくなればいい。
ドロドロとした気持ちがさらに蓄積していく。
どんなに近くにいても、抱き合っても、気持ちが満たされず、アリアは途方にくれるしかなかった。