悪女の代役ステラの逃走。〜逃げたいのに逃げられない!〜
「…っ、かはっ」
喉に液体が詰まる感覚がして、急いで体を起こし、それを吐き出す。
吐き出したそれは白いシーツに赤色の模様を描いていた。
これは血?
「…ゔっ、ゴホッゴホッ」
まだ状況を理解しきれていない。
それでも息苦しさと咳は止まらない。もう一度咳き込めば、私の口からまた血が吐き出された。
「…な、んで」
何故、急に苦しくなり、吐血したのか、原因が全くわからない。
唖然としながらも、口から顎へとたらりと垂れる血を自身の手で拭う。