桃色
「ねぇ、なんで・・・?」

私が戸惑っているとタケルが教えてくれた。

「なつちゃんに聞いた。びっくりしたよ、桃子が俺のことそんな風に想ってくれてたなんてな・・・」

タケルはそう言って笑った。


もう、なつ!!なんでそんなことタケルに言ったの?


「心配すんなよ。俺もお前のことそう思ってるから。好きだなんてもう言わねぇから」

タケルはそう言って笑う。

「タケル・・・。タケルは私にとって本当に大切な友達だよ?だから、無理してるとこ見たくない。自分の気持ちに素直になってね?私は、タケルにそう教えられきたから」

「俺は、無理してない」

私に言ってるようで、タケルは自分自身に言い聞かせているように思えた。


「タケルはお父さん達に認めてもらいたいってずっと想ってたんだよね?でも、忘れないでほしい・・・。私はそのままのタケルが好きだってこと」

「・・・・・」

「きっと、健ちゃんだってそうだよ。今のタケル、すごい無理してる。まだ、ハタチだよ?俺は無敵だって笑ってた頃のタケル、すごいかっこよかったよ・・・。」

私の話を聞いてタケルはずっと黙ってた。


「よく、考えて答え出してね?でも、タケルの人生だから、タケルが結婚するって決めたなら、私は応援するよ。タケルならきっと幸せになれるって思うから・・・」


私はタケルに考え直してほしいと思った。


好きでもない人と結婚なんてして幸せになれるなんて思えない。

例え、それが今まで頑張ってきたことを守るためだとしても。


私にはよく分かるんだ・・・。

好きでもない人と付き合ってきたから。

私はずっと孤独だった。


一緒にいても、私は一人なんだって感じるぐらい孤独だったから。





< 267 / 500 >

この作品をシェア

pagetop