桃色
それから、タケルは何事もなかったかのように、卒アルに目をやった。


「ってかさ〜、やっぱ、桃子が一番かわいいな!」

笑いながらそう言った。

「それって、フォローしてるつもり?」

私は嫌味っぽくそう言った。

「違ぇよ。マジで。桃子が一番かわいい!」

タケルは、やけになってそう言う。

「いいよ、別に。無理にそんなこと言わなくて・・・。タイプじゃないって言ってたくせに!」

「まぁ、それは、昔のことだろ?」

タケルはそんなことを言っていた。


「ってかなぁ〜、やっぱ、どう見ても俺の方がかっこいいと思うんやけどなぁ〜」

タケルがそんなことを言ってる。

「・・・何が?」

「優士より、俺の方がかっこいいと思うんやけど・・・」

そう言って、私を見る。


「何って言ってほしいわけ?意味分かんないんだけど・・・」

私がそう言うと、別にぃ〜ってタケルはすねた。


「もう!タケル君、面白すぎなんだけど!!」

なつが隣で大笑いしてる。

「ただのアホだよ〜!!」

私がそう言っても、なつは笑ってた。

「タケル、ウケたみたいだよ。よかったね!!」

私は満面の笑みでそう言ってやった。


タケルと一緒だと私は素でいられる。

なつと千絵と一緒にいるみたいに・・・。


昔も今も、タケルは私にとって、必要不可欠な存在なんだ・・・。



< 293 / 500 >

この作品をシェア

pagetop