桃色
また薄っぺらい紙が配られた。


・・・毎年恒例のこの瞬間。



何度もこの紙を見た。



『水嶋桃子』を探した。


何度見ても、3年1組の欄に名前がある。



・・・分かったよ。

私は1組なんでしょ・・・。



「なつは・・・」


なつの名前を必死で探す。


何度見てもなつの名前は3組にしかない。


「千絵は・・・」


もう、半泣きに近い顔で必死に千絵の名前を探した。


何度見ても2組にあった。




なんで、こうなるんだろう?


私となつと千絵は仲良く同じクラスになれなかった。


1組から3組までしかないのに。

たった3分の1の確率なのに・・・。


3人は見事バラバラになった。



「なんでぇ~」


私は本気で泣きそうだった。


そして、もう一度1組の名簿を見直した。



「・・・梨花がいる。田中君もいる。気まずいよぉ~。女子もみんなあまり仲良くない子ばっかりだし。なつも千絵もいない・・・。ってゆうかヒロくんも2組じゃん。私も2組がよかった。せめて、ヒロ君がいたらよかったのに。」




・・・悲惨だ。


中学最後のクラス替えは、悲惨だった。




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