桃色
「ねぇ、今もまだ大阪にいるの?」

「ん~。でも、来月帰ってくることになった」

「帰ってくるの?」

「おぅ。今、決めた!!
 水嶋、俺がこっちに帰ってきたら、
 一緒に暮らさねぇか?」

「ええっ!!?」

ゆぅ君にそう言われて私はびっくりした。


「ずっと一緒にいてぇから・・・」

私はこんな幸せはないと思った。

「私も一緒にいたい!!」

「じゃぁ、決まりだな!
 あぁ~、あと1ヶ月か。
 俺、また頑張れるわ~!!」

ゆぅ君はそう言って笑った。

それからは、何も話さず、ずっと手を握って
いた。


私はずっと、涙が止まらなかった。



「水嶋、泣き過ぎ!」

ゆぅ君はそんな私を見て笑ってた。

「ゆぅ君だって、泣いてたくせに~」

私がそう言うと、うるせぇよ!って言って
照れていた。

「そろそろ泣きやまねぇと、目腫れるぞ!」

分かってる。

でも、涙が止まらないの。


しばらく、ゆぅ君は私の頭を撫でてくれた。


・・・・・突然の再会。

そして、こうしてあの頃のように話をしてる。


まるで、夢のよう・・・。

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