桃色
「いってらっしゃ~い!」

朝、ゆぅ君を見送って、私は急いで準備を
して、会場に向かった。


10時の約束だったけど、少し早く家を出た。


・・懐かしいなぁ・・・。


中学校の前を通る。

思えば、中学を卒業してから、ずっと
この道を避けて通ってた。

あの頃のことや、ゆぅ君のことを思い出したく
なかったから・・・。


それなのに、あの同窓会の日、ここで、
千絵達と待ち合わせしたんだよね。


どうしてこの場所を選んだっけ??


だけどあの日、同窓会に行ってよかった。

もし、行ってなかったら、今、ゆぅ君と一緒
にはいないんだよね・・・。


そう思うと、すごいことだよね・・・。



学校には、たくさんの生徒達がいた。

若いなぁ~。

生徒達から見たら、私はもうおばさん
だよね・・・。

そんなことを思いながら学校の前を通った。




「桃子~!!」

店の前で、健ちゃんが呼んでた。

早く家を出たのに、学校に寄り道してた
から、もう10時を過ぎていた。


「桃子!遅刻じゃ!」

そう言って、健ちゃんは怒っていた。

「ごめん、ごめん!」

千絵となつもすでに来ていた。


お店の人も来ていたから、私はすごく
恥ずかしかった。


「さぁ、やるか!!」

健ちゃんがそう言って、私達はお店の
飾り付けを始めた。
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