桃色
でも、本当は優士君のこと見てた。


こんなにじぃ~っと見たの初めてかもしれないな。


優士君はさすがにうまいけど、なんだかかっこよかった。

それに、美鈴ちゃんとすごいお似合いで。


「私ね、優士君と美鈴ちゃんカップルすごい憧れなの~」


気付くと私は、ヒロ君にそんなことを言っていた。


「ほんまかぁ~?憧れなんは優士じゃないん?」

「違うよ~!だって私、好きな人いるし!!」


ヒロ君が、あまりにしつこく優士君のことばかり言うから、私は必死になってこんなこと言ってしまった。


「でも、水嶋、さっきから優士のこと見る目がすごいキラキラしてる」

「もう、そんなことないから!!」

「ははっ、嘘やって、冗談やって(笑)」


ヒロ君は笑いながらそう言って、グラウンドに戻って行った。


一体、ヒロ君は何が言いたかったんだろう?


私の中に芽生えてた感情を見抜いていたのかな??



この時のヒロ君の気持ちを私はいずれ知ることになる・・・。






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