First Light.

ハハ ト ムスメ



「…やっぱり無理ですよ。帰りましょう」

「帰ろうって、お前の家はここだろうが」

「いや、そうなんですけど」


メールを送って数分後、母から返信が帰って来た。


《明日空いてるわ》


思っていたよりも返信が早く返ってきて驚いて代わりに理人さんに見てもらったくらい。


相変わらず真っ白な壁は清潔感と冷たさを放っている。
駐車場には見慣れた母の車がしっかりと停められていて後悔しか生まれてこない。


「…なんだよ」

「別に。なんでもありません」


このぐるぐるとした感情はたった今隣にいるこの男のせいだと思うと、つい睨みたくなった。


「ていうか、立派なお家だな」

「え?」

「やっぱお嬢様じゃん」

「理人さんの理屈で言うと、一軒家に住んでる人皆お金持ちってなりますけど」

「はいはい」


…なんで私はこんなにぐるぐるしてるのに、理人さんはいつも通りなんだよ。


「俺は付き添いだからな」

「………」

「心の声漏れてる」

「……やっぱ帰りましょう!」

「だからここがお前の家だっつの」


門扉前で粘りに粘って約10分。
渋々その門扉を開け、バッグから鍵を取り出した。



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