平安物語【完】
「とんだ無礼をいたしました。
この者は厳しく処分致しますので、どうかお許しくださいますよう…」
乳母殿はその場に座り、深々と頭を下げます。
それを見て
「気にしておりません。
双方のため、これは無かった事にして頂きとう思います。
その女房の言葉も、私には聞こえませんでした。」
と私が言いますと、乳母殿は少し目を大きくして私を見ます。
「しかし…「東宮様がお待ちですので、これにて。」
今度は私が乳母殿の言葉を遮って、そのまま麗景殿を出ました。