平安物語【完】
やっとお暇が出来たのか、昼間に麗景殿にお渡りになられたとの噂が飛びました。
「やはり第一に麗景殿へとは…」と、口さがない世間はすぐさま言い立てます。
しかしその夜、私にお召しがございました。
すると今度は「いやはや弘徽殿様はお覚えめでたい…」と。
それと言うのも、尚仁様に皇子がいらっしゃらない今、左大臣と右大臣のどちらに媚びを売るべきかの判断が、世間の人々にとっては一大事なのです。